さよならマイヒーロー
「うーん、ホモって言うか、博愛主義みたいな感じの方がほのかちゃんには抵抗ないかなー? お兄ちゃん、みんなを愛してるんだ」
ふざけてるのかと思ったら、お兄ちゃんは大真面目な顔でそんなことをのたまった。その隣で先生の肩が震えてた。笑ってやがる。
――馬鹿にしてる! ひどいっ、お兄ちゃん!
「あたしは、絶対! 認めないからね! お兄ちゃんが先生と付き合……なんて!!」
「……認めるも何も」
先生の明らかに面倒くさそうな声に、あたしはきっ! と先生を睨んだ。
先生が純粋なお兄ちゃんをたぶらかしたに違いない。
「先生こそっ、生徒の保護者に手ぇ出すなんて何考えてんの! 最悪じゃない!」