さよならマイヒーロー
ほのかちゃんと名前を呼ばれて、あたしは恐る恐るの態でお兄ちゃんを見る。
お兄ちゃんは、寂しそうな顔をしていて。
罪悪感でちょっぴしあたしの胸は痛んだ。
「ほのかちゃんが俺のこと受け入れにくいって思うのはしょうがないと思うよ。身内だからね、でも」
「………お兄ちゃん」
「でもね、海人くん自身を否定するようなこと言うのは駄目だと思うよ」
……お兄ちゃん! 思いやりのないあたしでごめんね……!
しんみりとごめんなさいしかけたあたしの声は、「まぁでもね~」と言うあっけらかんとしたお兄ちゃんの声にかき消された。
「海人くんに迫ったのって俺が先だしね~、ほのかちゃんので言うなら俺が海人くんを変態の道に引き込んじゃったのかなー?」