さよならマイヒーロー
にこにこにこにこ。
微笑むお兄ちゃんに流されそうになった自分を奮い立たすようにあたしはセルフ突込みをかます。
でもあたしのお兄ちゃんはそんなことぐらいじゃ動じない。
って言うか、紹介って紹介って。
ずっとお兄ちゃん彼女なんてあたしに紹介なんてしなかったじゃん!
まさか、結婚……!
そんな暴走し出したあたしの思考を止めたのは、お兄ちゃんののんびりした一声だった。
「ちがうよー、ほのかちゃん。彼女って言うか、彼氏? どっちでもいいんだけどねー、とりあえず俺の大切な人。きちんとほのかちゃんに紹介したいなって思って」
「……………は?」
「やだなー、ほのかちゃんってば、聞こえなかった? だから俺の恋人、紹介したいの。きっとほのかちゃんも気に入ってくれると思うんだけどなー」