さよならマイヒーロー
「―――あー……」
「何その反応! もしかして、たっちゃん……!」
「俺は遥さんがホモだったなんてしらねぇし、俺はなんも関係してねぇぞ!」
暴走しかけたほのかの思考を打ち消すように言い返す。
ほのかは「だよねぇ」と気の抜けた顔でへらへら笑ったかと思えば、「でもお兄ちゃんはホモだー!」と叫んでラグに突っ伏した。
(……………)
いや、知ってたとかそんなんじゃないけど、かもしれねぇなと思ったこともあったけど!
別に俺はどうでもいいっちゃいいけど、そんなの個人の自由だなんていえるけど家族だとなぁ……って言うか、ほのかの場合遥さんに彼女が出来ても叫びそうだけど。
俺は突っ伏したまま奇声を上げ続けるほのかをたっぷり五分は優しく見守ってやってから、声をかけてやる。