さよならマイヒーロー
おそるおそるほのかを伺えば、予想通りほのかのテンションゲージが上がってきてた。
やっべ、せっかく落ち着けたと思ったのに!
ため息を押し殺してほのかの話に付き合ってやる俺の優しさをほのかはもうちょっとくらい思い知ってくれたらいいのに。
でもきっと、無理なんだろうけど。
「そうなの! 聞いてよたっちゃん! 沢田先生なんだよ~相手が! あの人絶対あたしを馬鹿にしてるんだからッ」
……まぁ、ほのかは単純だからからかいたくなるきもちはわからでもないけど。
しかしまぁ。
「……沢田先生」
「そう! あの顔だけオトコがあたしのきれいなお兄ちゃんを……ッ」
握りこぶしで訴えるほのかを落ち着け落ち着けと頭を撫でてやりながら思う。
沢田、先生ねぇ。