さよならマイヒーロー

「って、え? お兄ちゃん、何それ何の冗談……!」

「ほら、お行儀悪いよほのかちゃん。食事中に立ち上がらないの」

「ごっ……ごめんなさい」


だーん! と食卓に手を叩きつけかけたあたしを、柔らかく押しとめてお兄ちゃんは食事を再開する。
なんとなく勢いをそがれてしまったあたしも手を付けかけてた大根の煮物に取り掛かる。


「やっぱりおいしいー! お兄ちゃん最高っ」

「ありがとう、ほのかちゃん。育ち盛りなんだからいっぱい食べてね」

「はーい!」


良い子のお返事をしたあたしは、このとき綺麗さっぱりお兄ちゃんの爆弾発言を流してしまっていた。

それを後々後悔することになるんだけれども。ああ、後で悔やむから後悔なんだっけか。

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