さよならマイヒーロー

俺とほのかの家は完璧にお隣さんだ。
どれくらいお隣さんかといえば、壁と壁が近すぎて、窓があってないような感じになってるぐらいの、近接住宅。

……にも関らず、おれは律儀にほのかをほのかの家の玄関前まで送り届けるのがお約束だ。
今日もふてくされてたほのかを宥めすかして玄関前まで送り込んだ。
どうやらもう沢田先生はいなかったらしい。ほのかの喜びの奇声が聞こえてきたけどもういいや。

で、なんでお隣さんのほのかを送り届けるかって?
そりゃ、前言われたからだ。魔王に。否、遥さんに。


何の邪気もなさそうな顔で綺麗に笑って言うんだ、遥さんはいつだって。
何って、もんのすごい遠まわしな皮肉をだ。


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