さよならマイヒーロー

ホームルーム終了のチャイムが鳴る。

これで今日も終わりだ終わりと思いながら、最後に一応なんか質問ある奴てぇあげろと言葉を投げる。

机に突っ伏している黒い頭が3分の1。質問もなにもないだろお前ら、はい終わり。

とんとんと教卓でファイルの角をそろえていたら、小学生のお手本みたいにはいっと元気いっぱいの返事が返ってきた。
これでもかとまっすぐのばした手がぶんぶんと激しく主張されて揺れている。

南だ。



「はい、変態！」

「……………南」

「変態、質問があるんですけどっ！」


もっと違うところでそのやる気を発揮しろよと思いつつ、うんざりと最愛の恋人のアホな妹の名を呼ぶ。
アホかこいつは。いや違う。アホだな。


「南、念のために聞くが」

「なんですか変態！」


南の後ろで高岡がものっそいはらはらした顔であわあわしている。