サカミチ~君と奇跡の恋~



丹羽のバッグはもう机の上にはなくて、友菜のスクバだけが寂しげにあった。
授業道具を出し、スクバを横に掛ける。
ふと横をみると丹羽の横顔。
椅子ごと後ろを向いて笑っている。
友菜にも、その笑顔向けて・・・・・・。
でも、どうしても話しかけることができない。

1時間目、丹羽を意識しながら話すことができず。
2時間目、移動教室で関わらず。
3時間目・四時間目、体育で別々。

もう話せないのかなあ。
給食時間になってしまった。
丹羽はいつも残り物じゃんけんに行くし、話す機会がない。
給食大好きな丹羽だもん。
友菜はショックだった。
  「肉食いてえー!俊介よこせやー。」
肉じゃんけんで負けたようだ。
肉・・・・・・欲しいの?
友菜は自分の肉を見た。
まだ手をつけてない。
あげようかな?あげたら話せるかな。
そんな淡い期待を胸に、肉を持った。
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