サカミチ~君と奇跡の恋~



なんでも深く考えてしまっているけど、実は丹羽はそんなに深いことを考えないで行動しているのかもしれない。
それか、誰にでも優しい。
きっと、人の悪口を言わない人なんだ。
  「先生。ステージ何するんの?」
俊介が明らかに不満そうに言った。
友菜の心は痛んだ。
そして、それに水をさすように先生が余計なことを言った。
  「プロジェクトリーダーは宮坂なんで、色々細かいことは宮坂に聞けー。」
クラスのみんなの目が友菜をむく。
ひそひそ声も聞こえた。
みんなでプロジェクトを決めたのはだいぶ前。
忘れられてたんだ。
友菜じゃだめ?
ダメだよね。頼りないよね・・・・・・。
  「はあ!?ふざけんな!こんなブスに聞けるかっつーの!」
俊介は友菜を指差して、皆に聞こえるような大きな声で言った。
丹羽の、耳元でもあった。
友菜は丹羽をチラッと見た。
下を向いている。
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