サカミチ~君と奇跡の恋~
俊介とは対立したまま、黒板の前に立って友菜はステージの内容を発表する。
クラスはざわざわしていて、とても話せる空気ではない。
話したとしても、誰も聞いてくれないだろうし。
リーダーなんかやらなきゃ良かった。
先生は「静かにしてください」って言って。
とか無責任に言って、友菜に責任を負わせてきた。
「静かにしてください。」
勇気を持って発した一言も、泡のように消えていった。
もう、無理だ。
「先生、はじめていいですか?」
もう誰も聞いてなくても始めようと決めた。
丹羽を見ると、俊介と話している。
そりゃ、友菜の話なんか、学校祭なんか、どうでもいいよね。
それより、俊介と話したいよね。
なに期待したんだろ。バカ友菜。バカ友菜。
「もっかい言って」
先生はまた友菜に押し付けてきた。
先生が静かにさせてくれればいいのに。
友菜はもう、適当に言った。
「静かにしてくださーい。」
すると、丹羽が前を向いた。