サカミチ~君と奇跡の恋~



丹羽宛に書いた手紙は、そっと机の中にしまった。
いつか、こんなに好きだったって笑っていえるように。
そして、隣に丹羽がいる日と夢見て・・・・・・。

  「丹羽ー。お前昔沢田実帆のことすきだったよなー」
授業間の休憩時間に、俊介が言った。
沢田実帆。クールで頭が良くて誰に対しても態度が変わらない人。
モテるし。でも付き合わない人。
丹羽の女バージョンみたいな人。
だから好きになったのかな?
過去のことだけど、気になるよ。
それに、俊介以外からもこの話は聞いたことがある。
友菜は、耳を傾けた。
  「え?いやーまあそういう話にはなってたよね」
そういう話?
じゃあ違うの?
好きじゃなかったの?
少し、嬉しくなってしまう。
  「お前嘘つくなやー好きだったんだろ?」
女みたいにねちっこい俊介がしつこく聞いていた。
  「いや、ガチで違うから。」
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