サカミチ~君と奇跡の恋~
今、偶然現れないかなあ。
もし会えたら、奇跡だなあ。
そんな妄想をしながら、歩いていた。
「宮坂!!」
胸がバクッと鳴った。
丹羽??
「落し物!!」
振り返ると、全力で走っている丹羽の姿。
「え!?・・・・・・それ・・・・・・」
友菜が諦めてバスの下においてきたシャーペン。
「拾ってくれたの?」
涙が出そうになった。
「まあ。とにかくもう落とすなよ!せっかく買ったんだから。」
そういい残して走って行ってしまった。
もう、汚くない。
シャーペンが綺麗になって帰ってきた。
もう離さない。
シャーペンから丹羽の熱を感じる。
なんでそんなに優しいの?
少しは、距離が縮まったのかな。