双子☆Love
「……どうしてキスはしなかったの?」


佑樹が、色んなこと経験してるのはすごく複雑な気持ちだったけど、キスをしなかった理由のほうが気になった。


「……俺さ、変なところロマンチストで。唇にキスは本当に好きになった女としたかったんだ。何かすごく大切な感じがするから。
……あのときは、そんな女が現れるわけないって思ってたけど。」



佑樹はそう言って、柔らかく微笑んだ。



……優ちゃんの笑顔によく似てるけど、少し違う。



でも、どっちも私が好きな笑顔。




「……梨香に出逢った。」


「……えっ?」



「梨香に嫌われたら、もう一生俺は女を好きにならないって思ってたから、嫌われてなくて今すごく安心してる。」




……佑樹。





……って、何か改めてすごいこと言われてるんじゃない?私。




「……ちゃんと梨香に言いたい。」



ドキッとした。佑樹の顔があまりに男らしくて。
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