-獄蝶-
-10
「俺は、もう好きじゃない。」
何となく分かっていた。
だけど、後悔してない。
だって、葵はアタシが前にあげた香水をしててくれた。
それだけで十分だよ。
だけど、その香りに混じって女の子の匂いがした。
きっと、葵には大切なヒトがいる。
自分から、別れを告げたあの日、私は
「幸せになってね。」
と、言ったんだ。
本当に、葵の幸せを願ってるから…
私から身を引く。
諦めきれなくても
もう、二度と気持ちを伝えない。
神様…そう誓うから…誓うから…
葵のそばにいさせてください。
こんな我がまま…聞いてくれますか_?