-獄蝶-
-11
「じゃぁ、俺いくわ。」
この空間に居てられなくて、逃げた。
まさか、礼華に告白されるなんて思って無かった。
俺も礼華が好きなのに。
礼華の気持ちに応えてやれなかった。
屋上のドアを閉めて寄りかかりながら
泣いた。
きっと、いや絶対アイツは泣いている。
俺は、この手でアイツの涙をぬぐってやることなんて
出来ねぇんだ―――…
こんなにも愛しているのに。
礼華が俺にとってすべてなのに。
俺にとって唯一…命はってでも守りてぇヤツなのに…