-獄蝶-
2

-1

2-1(空)


あの女が頭から離れない。

あの女の名前は 後藤海來 というらしい。

きっと、いや、絶対葵は何かを隠している。

今日の葵は今までで見たことないくらい異常だ。

とにかく、葵がなんて言おうと
昼休み、後藤海來を連れてくる。

ここ(旧図書室)から、ふと屋上に目を移すと…




・・・!?

「あれは・・・・」

何故だ!?
何故だ!?

葵は女嫌いなハズだ。

・・・なのに、何故抱きついてる?

やっぱり、隠している。

女の表情は見えなかったが

あいつは絶対に後藤海來だった。



「アイツは何者なんだよ。」



葵が、後藤海來に後ろから抱きついているのを見て
何故か俺は、無性に

イライラしたんだ。



コノ気持ちは何なんだ―…

俺に心があったのか…?



「…捨てたハズの心が…戻ってくる―――…か。」



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