-獄蝶-

-3

-翔太-


「…自己紹介も何もないんだから知らないのは当たり前でしょ?」
…そんなこと言う奴に初めて会った。
大体、女は媚を売ってくるのに。
コイツは珍しい。
というか、馬鹿なのか?


「で、アンタ等は何なの?」

…おい、本気か?それ…マジで言ってんのかよ…

「おまっ、マジかよ…俺は、桜華の幹部、浦乃翔太だ。」
って、自信満々に言ってみた。これなら知ってるだろうと思ったのに。


この女は、「へー」って顔で見てる。
いや、普通桜華って聞いたら吃驚するハズなんだけど。


「暴走族だぞ?」
って言ってみたら、吃驚する答えが返って来た。

「だから、何?」



その時からかもしれない。俺が、後藤海來に惚れたのは。


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