-獄蝶-

-6


「ダメです!飲ませちゃ!!」


その言葉が、少しでもアタシを心配して言ってくれてたなら、
アタシは死んでもいいくらい幸せだ。

「真面目だなぁ~。だから、唯結ちゃんは好きなんだよな~?」
…ハッ!!うぬぼれてた。

そうだよ…葵には唯結チャンって言う彼女がいるんだよ。


これ以上、葵とも唯結ちゃんとも一緒に居たくない。

早く…一刻も早く…この場から逃れたい…


「俺らこれからいろいろあるんで、じゃ」


いろいろって何?


聞きたい。


けど、聞いちゃいけない。



…葵に感謝してる自分がいる。


「じゃーな。次までバイバイ。」
と、翼が帰り際に挨拶してる時、チラッと葵を見たけど
全く目が合わない。

その時だった―…。




「礼華さん、翼さんとお幸せに。」





どうしたらいいのか分からない。


自分でも
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