-獄蝶-
葵side
礼華、アイツどうしたんだよ…。
立ちあがろうとした時、指に
何かが触れた。
「ん?」
―えっ?…はっ!?嘘だろ
―妊娠検査薬―
礼華が…?
嘘だろ!?こないだ告白されたばっかりだぜ…
なのに、どうして?
…でも、礼華はあの時多分吐いた…
・・・・マジかよ…!!!
―大切なものは、手放しちゃダメって言うけど、
それを手放してしまうのが人間なんだよね―
いつか、礼華が言っていた。
俺は、何をやっていたんだ・・・。
あの人の命令なんてどうでもいい。
大切にしなくてはいけないのは、自分のキモチだろ?
どうして俺はそんな肝心な事を忘れていたんだ…
自分を責めても、責めきれない。
俺はそれほど、愚か者だったんだ・・・・。