-獄蝶-
だけど、気分はスッキリでなんとなく元気になった。



~♪~♪~

携帯が鳴った。

「もしもし?」

「礼華大丈夫?」

雨…
不自然な静けさ

「あのさ…葵から聞いたんだけど…」

!!!

「あ、あぇっ?葵!?」

後ろにいる翔達がざわつく。

「礼華…アンタ…」

やっぱり、気付いてたよね…

「分かんない。だけど、出来てるとしたら…」

あの人だけ。

だけど、あの日…うなずいたけど…ヤってない。


…って翼は言ってた。


アタシは酔いすぎて覚えてない…


「誰!?」

「……翼。綾瀬…翼」


思い出したんだ。翼は気付いてないけど。

私は一度、翼と戦り合った事がある。

「…綾瀬!?…ねぇ、礼華分かってるの?アノ綾瀬なんだよ?」

分かってる。人生で初めて負けた相手だった。

葵をかけて戦ったんだ―…

「うん。」

「アタシがあの日合コンなんて開かなかったら…」

雨…
「違う!」

「何が違うの?…だってそうでしょう?」

だって…

「気付いてなかったんだから、それは違う。アタシが悪いんだよ。」

電話の向こうからは何も聞こえない

そう思っていた時だった。

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