ピュアハート
---メッセージを再生します---
「あー俺。この間借りたの返そうと思ったんだけど…明日渡すわ。また電話する。」
「何だ、こりゃ?」
「完璧、間違い電話だ。」
「明日…て、また今日かかってくるわけー!?」
「仕方ないね。今日は出てみれば?そんでもって、間違いだって教えてあげなよ。」
「…そうだね。」
その日の放課後――
部活を終え、ロッカーに向かっていると、ケータイがなった。
あ…、昨日の間違いヤローからだ。ちゃんと間違いだって言わなきゃ。
「もしも…」
と、言いかけた私の言葉に被せるように、いきなり話出した。
「今、駅前のコンビニにいるからすぐ来いよ。」
プチ、ツーツー…
…うっそ――!!…切れちゃった。人の話ぐらい聞きなさいよ!
なんて思いながら、自転車通学の私は腹立ち紛れに、ペダルをこぐスピードが上がった。