ピュアハート




---メッセージを再生します---



「あー俺。この間借りたの返そうと思ったんだけど…明日渡すわ。また電話する。」



「何だ、こりゃ?」


「完璧、間違い電話だ。」


「明日…て、また今日かかってくるわけー!?」


「仕方ないね。今日は出てみれば?そんでもって、間違いだって教えてあげなよ。」


「…そうだね。」





その日の放課後――

部活を終え、ロッカーに向かっていると、ケータイがなった。

あ…、昨日の間違いヤローからだ。ちゃんと間違いだって言わなきゃ。


「もしも…」


と、言いかけた私の言葉に被せるように、いきなり話出した。


「今、駅前のコンビニにいるからすぐ来いよ。」

プチ、ツーツー…


…うっそ――!!…切れちゃった。人の話ぐらい聞きなさいよ!

なんて思いながら、自転車通学の私は腹立ち紛れに、ペダルをこぐスピードが上がった。
< 3 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop