ピュアハート
「どうしたの?行こう。」
そう言ってリュウさんは私の背中にそっと手を添えた。
リュウさんはさりげなく、私を庇うような仕草をする。バスに乗っては、ブレーキで倒れそうになるのを支えてくれたり、歩いている時は車道側を歩いてくれたり、自転車が来た時はそっと肩を寄せてくれたり…。それだけで私の心臓は激しく動き出す。
リュウさんは私がこんなにドキドキしてるのわかってるのだろうか…。
チラッと顔を見上げると、視線に気が付いたリュウさんはニコッと微笑んだ。
あー、ダメだ。あんな顔されたら鼻血出そう…。