ピュアハート
すごい緊張する。確かめるのが怖い。
でも、ちゃんと聞かなきゃ。
震える手でファミレスの扉を開けた。
店内を見渡すと、窓際の席に座って外を眺めているリュウさんを見つけた。
店員に先に知り合いが来ていることを告げ、彼の傍まで近付いた。
「……こんにちは。」
「…やあ。」
突っ立ったままの私に、
「…座らないの?」
と、聞いてきた。
彼に促されて座ったものの、沈黙が続く。
話しづらくて俯いていると、リュウさんが口を開いた。
「最近どうしたの?メールしても返信はないし、誘っても何か忙しそうだね。……俺、気に障るような事した?」
「え?」
思わず顔を上げると、目が合った。リュウさんの真っ直ぐな瞳にちゃんと伝えないといけないと決心がついた。
「以前、大型スーパーの交差点で一緒に歩いてた女の人は誰?」
「女の人?……さあ、覚えがないけど。」
「だって…、私の目の前を通り過ぎたんだから!」
「……それで、怒ってたの?」
「怒ってたんじゃなくて、……遊ばれてたのかと思って…。一杯…泣いた。」
言葉の最後になるほどだんだん声は小さくなっていく。
「…うん。それで?」
「中途半端な気持ちのまま会えないと思って…。」
「中途半端か…。」