ピュアハート


「ごめんなさい、リュウさん。もう笑わないよ。でも、セイヤさんも同じ日でしょう?セイヤさんも他の人に教えないの?」

「いや、あいつはあんな性格だから、『俺ってかわいいだろー』なんて言ってるよ。」

「あはは、セイヤさんらしいや。じゃあ、セイヤさんから洩れたりしないの?」

「あいつとは大学が違うし、普段双子だっていちいち言わないし。」

「そっか。でも、兄弟っていいよね。話し相手になるし寂しくないし、何でも相談できるし。」

「そうでもないよ。これでも子供の頃は毎日喧嘩。

年が同じだからどちらも譲らないんだ。

同じものが二つでも色が違えば奪い合い。

さすがに中学生にもなると、そんな事はなくなったけどね。」

「ふーん。一人っ子の私にはよくわかんないけど、喧嘩も相手があってこそできるんだから、羨ましいな。」


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