傷だらけのラブレター
04:消えてしまったラブレター
『手術をしたら、必ず治るんですか?』
――…6月。
あの花びらをとってもらった季節は過ぎ去り、制服は夏服になった。
診察室も、梅雨のせいかジメジメしていて、なんとなく居心地が悪い。
私はパソコン室とかにありそうな椅子をクルンと一回転させ、先生と向き合った。
メガネの奥の小さめの瞳が、極限まで開かれてる。
「…愛未ちゃんが自分から手術の話をするなんて…。
珍しいこともあるんだね。」