傷だらけのラブレター
時々、思う。
私と直也が、出逢わなければよかったのに、って。
そうすれば、こんな想いはしなくて済んだし、私は悩むことなく生きていけた。
「…愛未?」
『……。』
今からでも、遅くないから。
まだ、間に合うから。
直也だけ、そのまま。
私をこの世界から、なかったことにしてほしい。
「……愛未!」
バンっ、と。
美嘉が机を大きく叩き、声を少し荒げた時。
同時に肩を思いっきり叩かれて、私は我に返る。
今、何を考えていたんだろう…。