傷だらけのラブレター
出逢いなんていらない
「…直也くん、なんか可愛い一年の子と付き合い始めたらしいよ。」
――…お昼休み。
チュルチュルと紙パックのイチゴミルクを飲んでいた私の手が、一気に止まる。
今のはきっと、聞き間違いだ。
そう、思いたくて。
そう、言い聞かせて。
私は一瞬の間に、自分のなかのドロドロとした感情と戦っていた。
『…それ、本当?』
あくまでも平常心を装って、向かい側に座った美嘉を見つめる。
美嘉のつり目だけどパッチリした目が、大きくこちらを見据えた。