傷だらけのラブレター
わかってる。
彼女が悪気があって、愛未にラブレターを預けたわけじゃないし、
なによりラブレターを破るなんて、完璧俺が悪い。
それでも、あの時彼女が、愛未にラブレターを渡さなければ、俺たちの関係は今まで通りだったかも知れない。
そう思うと、いい気はしないんだ。
『えっと、…一応。』
…なんとなく。なんとなくだけど、この空気は苦手だ。
彼女の真剣さが痛いほど伝わってきて、なんだか歯がゆい。
つうか、真剣な空気は俺に似合わない。