傷だらけのラブレター
第二ボタンまであけたワイシャツに、校則違反の紺のパーカー。
ピアスこそは開けてないけれど、金に近い茶色の髪。
そんな、いかにもチャラ男の典型的な人が、美嘉の紹介した“浅野目 圭”だった。
「本当、肌綺麗だねー。」
『……。』
…なんか、嫌だな。
あきらか距離感を間違っている浅野目くんを見て、静かに思う。
この柑橘類のキツい香水も、色々ついてるゴテゴテした指も。
正直好きじゃない…。