傷だらけのラブレター




第二ボタンまであけたワイシャツに、校則違反の紺のパーカー。



ピアスこそは開けてないけれど、金に近い茶色の髪。




そんな、いかにもチャラ男の典型的な人が、美嘉の紹介した“浅野目 圭”だった。





「本当、肌綺麗だねー。」

『……。』




…なんか、嫌だな。




あきらか距離感を間違っている浅野目くんを見て、静かに思う。




この柑橘類のキツい香水も、色々ついてるゴテゴテした指も。




正直好きじゃない…。




< 140 / 459 >

この作品をシェア

pagetop