傷だらけのラブレター
会いたい。会いたい。
そう強く思えば、思うほど、直也の優しい笑顔が鮮やかに頭に再現される。
だけど、頭から直也の笑顔が消えた時。
次に浮かんだのは、どうしても好きになれない、菜穂ちゃんの笑顔だった。
『……。』
もう、浅野目くんの存在なんか気になんなくなって。
零れそうになった涙を溜め込むように、ギュッと唇を噛む。
そんな私に気づかない浅野目くんの脳天気さは、聞いてて良いものではなかった。