傷だらけのラブレター




「…愛未ちゃん?」





さすがの浅野目くんも、私の不自然さに気づいたのか、心配そうに私の顔を覗きこむ。




目線を合わせて、しゃがみ込んでくれたその体制が、なんとなく居心地が悪くて。



私はうまく笑うことができなかった。




「どうしたの?」

『な、なんでもない!大丈夫!』





…多分、今私、『大丈夫!』って顔していない。




悲しくて、寂しくて。


涙が零れてきたんだもん。



< 144 / 459 >

この作品をシェア

pagetop