傷だらけのラブレター



だけど、いくら優しい直也だって、当然私のズルさに気づいていて。




もう甘えることはできない、そう感じたのは次の、瞬間。






「…何言ってんの。」

『えっ…。』

「愛未だって、隠し事、してるでしょ?」





ドクン、と。
心臓が波立つのを感じた。



同時に湧き上がってくるのは、動揺と全てバレていた恥ずかしさ。




無意識に握られていた手はほんのり湿り、それが余計私をせき立てる。





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