傷だらけのラブレター
なんとなく、浅野目くんって、掴めない人だ。
今だって、知らない間に背後にいたし、なんかチャラチャラしてるし。
それに、何も考えてなさそうだけど、実は深く物事を考えていそうな気がする。
「…あれって、愛未ちゃんが好きな奴?」
『へっ…!?』
突然の言葉に、マヌケな声をあげてしまう私。
その間も、浅野目くんは感情の掴めない瞳で私を見ていた。
『えっと…。』
あれって…。
直也の、ことだよね?
っていうか…
『さっきのやりとり、見てたの?』