傷だらけのラブレター
“2人は両想いなの?”
浅野目くんの声がエコーのように響き、何も喋れなくなってしまう私。
聞いて、ほしくなかった。
できれば、誰にも触れられずに、ゆっくりと癒やしていきたかった傷。
触れてしまった後には、もう戻れない。
『…どうなんだろうね。』
私は、若干自暴自棄ぎみに、荒々しく答える。
そんなの、私にだってわからないよ。
なにより、浅野目くんに簡単に教えられるほど、単純な気持ちじゃないから。