傷だらけのラブレター
その言葉を耳にした途端、何かが狂ったような気がした。
頭のなかに苛立ちや、腹立たしさ、汚い感情が渦巻いてる。
…なにも知らないくせに、わかったような口振りしないでほしい。
なにも知らないから、そんな勝手なこと言えるんでしょ?
『…両想いだからって、必ず上手くいくわけじゃないんだよ。』
零れ落ちた浅野目くんへの怒りは、感情的になるというよりは、か細く弱いもの。
声を震わして、必死に汚い感情を押し殺す。