傷だらけのラブレター



告白、とか。



そんなの、できるのなら、とっくにしてる。



何もなければ、真っ先に幸せを掴みかかってるもん。






――…これは、



自分の幸せだけじゃどうにもならない、ゴールの見えない恋なの。





「……。」




さすがの浅野目くんも、何かを感じとったようで。



私をジッと見つめながら、何かを考えこむような複雑な表情をする。




やけに静かなこの空間は、風の音だけが鮮やかに響いていた。




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