傷だらけのラブレター
「…じゃあさ。」
浅野目くんが口を開いたのは、その数分後。
この静かな空気に場違いな浅野目くんの声は、主張されるようにクッキリ通る。
「俺に、する?」
それは、あまりにも普通で。
サラリと耳のなかに駆け抜けたその言葉。
一瞬では理解できない私は、浅野目くんを見上げたままスリーブ状態になる。
『…えっ?』
“俺に、する?”
それって、直也を止めて、浅野目くんにするってこと?
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