傷だらけのラブレター
『……。』
…ばっかみたい。
机の整理をしてる途中、ふと出てきた“それ”を乱暴に畳み直す。
そして、また机の奥深くにしまいこんだ。
『……。』
見たく、なかった。
まだ純粋に直也との未来を信じていた時の気持ちなんて、いらない。
…必要、ないから。
『……。』
見え隠れした“それ”を奥に残したまま、押し戻すことができない引き出し。
今ここで引き出しを閉じたら、直也への気持ちに蓋を閉じてしまうような気がする。