傷だらけのラブレター
「おぉ、早いじゃん~!」
やっぱり、ドアの先にいたのは、直也で。
今よりも幼い笑顔が、私の胸をギュッとさせる。
『だって、玄関まで走ってきたんだもん!』
直也に、早く会いたかったから。
直也に会いたかったから、今か今かと、チャイムの音を待ち構えていたの。
「…よし、じゃあ俺んち行こっか。」
『あ、待って待って!』
迎えにきてすぐ自分の家に戻ろうとする直也を、慌てて引き止める。
まだ、準備ができてない。
ラブレター、取りにいかなきゃ。