傷だらけのラブレター




――…いつもの年と同じ、直也の誕生日。



だけど、今年は私のなかの何かが違う。




机の前までたどり着いた私は、目の前にあるラブレターをギュッと握った。





『……。』





――…今年こそは、直也に告白する。




頑張って告白しようとしたけど、結局勇気が出なかった例年とは、今年は違うのだ。




このラブレターが、私の強い決意の現れ。




『……っ』




肩を強ばらせながらも、直也が待ってるであろう玄関へと足を進める。




< 184 / 459 >

この作品をシェア

pagetop