傷だらけのラブレター




『いただきまーす!』





そうケーキを口にした、その瞬間だった。




『……っ!』




突然、喉元に何かが詰まったような感覚に襲われて。



呼吸さえしづらいような苦しさに、胸を抑える。




苦しい、苦しい。


とにかく、苦しくてたまらない。




その場で咳き込んだ私は、何が起こったのか判断できなくて。



ただこの苦しさを、過ぎ去るのを待つことしかできなかった。





――…始めての、発作だった。




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