傷だらけのラブレター
「…なんで急に…?」
一つ一つ言葉を選ぶように、お医者さんはゆっくりと言葉を発する。
その声は、いつもの優しさが微塵にも感じられない。
お医者さん、の声をしていた。
『…変わりたかったんです。』
ポツリと、言葉に表した途端。
一気に心から、なにかが溢れでたような気がした。
『私、好きな人がいるんです。』
その人のことが好きで、好きで、大好きで。
ずっと、手に入れたいと思っていた。