傷だらけのラブレター
『でも私は、病気だから。
…いつ死ぬか、わからないから。』
ずっと、一歩踏み出すことができなかった。
直也を縛りつけるのが、怖かったの。
『…きっと、このままじゃ何も踏み出せないから。
なにも、変わらないから。』
――…信じて、みようと思ったんだ。
その“成功率”、ってのに。
『リスクはちゃんと、わかってます。』
たとえ成功率が低くても。
たとえ成功しても、治るとは限らなくても。
…それでも、信じてみたかったの。
直也との未来を、信じたかった。