傷だらけのラブレター
だけど、そんな私の期待もあっけなく、ガシッと直也に腕を掴まれる。
『……っ』
手加減をしらない乱暴な手つきが、直也の心境を表しているみたいだった。
…なんだか、怖くて顔があげられない。
「…愛未。」
『……。』
「これは、どういうこと?」
怒ってるというよりは、弱々しくて。
徐々に和らぐ腕にホッとした私は、静かに顔をあげる。
その先に見えた直也の横顔は、はっきりと“総合病院”の文字を映し出していた。