傷だらけのラブレター




「……。」

『……。』




再び無言が走り、聞こえるのは木枯らしの音だけ。



静けさの中、視線だけは変わらず、重なったままだった。





「…じゃあさ。」




沈黙を押し殺すように、直也がゆっくりと口を開く。




その一つ一つの動きが、全部スローモーションみたいで。



私の心臓も、それに合わせて高鳴っているみたいだ。






「愛未が言ってくれないなら、俺から質問していい?」






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