傷だらけのラブレター
思わず、ゴクンと生唾を飲んでしまった。
額から垂れるのは、一筋の汗。
『別にいいけど…。』
本当は、全然よくない。
直也が何を聞きたいか、なんとなく予想がついてるから。
けれども、嫌だと言えない私は、直也の問いかけを頷くことしかできなかったんだ。
――…今思えば、これが全ての始まりだったんだと思う。
「じゃあさ、一つ目の質問ね。」
『う、うん。』
改まったように、大きく息を吸う直也。
そんな直也を、不安を胸いっぱいにトギマギ と見つめる。