傷だらけのラブレター
『……。』
…そういえば。
最近、浅野目くんの姿を見ていないような気がする。
つきまとってきたかと思えば、急に姿を消したり。
いなくなったと思えば、急に現れたり。
やっぱり、浅野目くんは未だに掴めない。
「浅野目くん、って…。
良いヒトだよな~。」
『うん。
……って、え!?』
あまりにもサラリと言われたので、聞き逃してしまいそうだった。
直也の口から放たれたのは、あまりにも予想外すぎる言葉。
今…。浅野目くんのことを、“良い人”って言った?