傷だらけのラブレター
「そんなこと、ないよ。
…彼女は、強いようで、誰よりも弱かったんだ。」
お医者さんが、手に持っていたカルテを置いた。
なにかを悔やんでるみたいに、後悔の念が込められた瞳で、私をジッみるお医者さん。
そんなお医者さんを、戸惑いつつもジッと見つめる。
『…ねぇ。』
先生、わかっちゃいました。
あんなに手術を勧めていたのも、
あんなに一生懸命、私の病気を直そうとしてくれたのも。
先生、その女の子がいたからなんですね?