傷だらけのラブレター
『その子は、どうなったんですか?』
一瞬だけ重なった、お医者さんと私の瞳。
お医者さんのメガネ越しの小さな瞳が、今までにないってぐらい大きく揺れた。
お決まりの嘘つく時の表情さえも、お医者さんはしてくれない。
「…亡くなったんだ。」
『……っ』
「手術を受けることができずに、発作で亡くなった。」
“発作”や“手術”という単語が、ダイレクトに突き刺さっていく。
これは、私にも起こるかもしれない出来事で。
決して、他人ごとじゃいられないんだ。